風変わり
日常に潜む謎
「彼はいい人だけど、何か他に事情があるような気がするんだ」
「うまく言えないんだけどね。どうも、しっくりこないんだ」
「わかる気がするわ」
「だって、散歩したり、買い物をしたり、庭いじりをしたり、仕事をしたり、ごく普通の人に見えるじゃないか。でも、それがすべてじゃないような気がするんだ」
「ええ、わかるわ」
「それでいて、人知れず遠くの地へ行って、山登りをしたりする」
「ほんと、不思議よね」
「もしかしたら、スパイかスーパーヒーローだったりして」
彼女は笑う。
「彼の特殊能力って、何だと思う?」
「その風変わりなところと、秘密主義なところかしら」
「自分の人生をすべて見せびらかしたりしない。彼は慎み深いんだよ」
「秘密主義、と言った方がしっくりくるわ」
「やっぱり、風変わり、という言葉が合うのかもしれないな」
「私たちが見ているのは、彼のほんの一部、殻や、見せかけの姿だけなのよ」
「それでも、彼なりに誠実だと思うけどな」
「ええ、でも何かを隠しているのよ」
「じゃあ、今の世の中、人は自分についてすべてを明かさなきゃいけないって言うのかい?」
「みんなそうしてるもの」
「そうだな、みんなそうしてる」
A story by Pemba Umoja