老人の願い
海への旅
とても年老いた男がいた。名前はフアンといった。フアンは妻のアドリアーナと長年連れ添っていた。賑やかな町に暮らしていて、深い谷間にあった。山々はあまりにも高く、その頂が太陽を遮り、雪がシャベルで降るように空から落ちてきた。
「海のそばに住みたい」と老人は妻に言った。五十年以上そう言い続けていた。
「じゃあ行って暮らせばいいでしょう」と彼女は答えた。五十年以上、彼が言うたびにそう答えていた。
しかし今回は違った。少しばかり寒すぎ、少しばかり暗すぎた。雪も少しばかり多すぎた。
今回、老人が「海のそばに住みたい」と言い、妻がいつものように「じゃあ行って暮らせばいいでしょう」と答えた後、老人は静かに杖に体重をかけ、立ち上がり、オーバーコートを着て、旅行鞄を詰め、扉を開け、一言も言わずに嵐の中へ踏み出した。
妻は自分の仕事に忙しく、彼がいなくなったことに気づかなかった。書類から目を上げることさえしなかった。
老人は地平線に向かってよろめき歩き、海への道をゆっくりと消えていった。
A story by Pemba Umoja